人気ブログランキング | 話題のタグを見る

原因不明の枯れ込み

バラの怖い病気と言えば、防除が可能でメジャーなうどん粉病や黒星病の他に防除が困難な根頭癌腫病。

その他にステムキャンカーは知られているところだが、疫病はあまり気にしたことが無かった。

一昨年の夏に長尺苗で購入したルージュピエールドロンサール、購入した店はあまり管理の良い店では無かったがその当時販売店はおろかネットでも品切れだったので、欲しかったルージュピエールを見つけて意気揚々とお高い苗を購入して帰ってきた。
その年は元気に育ち、そのまま冬を越し翌春元気に萌芽。

春の陽気でグングン伸び、ベイサルシュートも数本出し蕾も沢山付けていざ開花へ秒読み!

という所でどうも調子がおかしい・・・
一本の枝の蕾の首がクタッと垂れ、葉がドンドン黄色くなり枝に黒ずみが出てくる
その黒ずみはやがて枝全体が真っ黒になり枯れてしまった、それまで生きいきとしていた枝がだ。

あまりの急変に僕はまずテッポウムシを疑った、よく調べてみたがしかし食害されているような形跡はなく確認する事は出来なかった。

病変を見ていると枝先から萎れていき、最終的に枝が黒ずむのでステムキャンカー(枝枯れ病)だと決め込んでいた。

ステムキャンカーとは広葉樹などでよくある胴枯れ病と似たような病気で切り口や、枝折れ、傷などから感染し枝先(切口)から枯れ込んでしまう病気である。
他に凍害によるものも有り、枝の途中に黒いシミのような患部ができ、そのシミが枝を包むように広がると芽は膨らんでいてもそこから上はドンドン黒くなり枯れてしまう、これは主に水分の多いシュートに現れる事が多いと思う。

菌の侵入具合にもよるが、バラの場合は菌が侵入してすぐに切り戻しトップジンMなどの薬剤を塗布すれば食い止められる事の多い病気である。

ルージュピエールの萎れていく枝を元気な所まで切り詰め、トップジンMペーストを塗布することを繰り返した。
しかし何の効果も出ない、それどころか次々に枝が同じように萎れてくるではないか。
一番花を目前に全ての蕾を切り取り、枝を切り詰めトップジンを塗布することを繰り返したが虚しく殆どの枝が枯れてしまった。


枝こそ次々枯れるが、枝が枯れる度にベイサルシュートを上げてくるルージュピエールの強権さも驚きだった。
やはり株全体が弱る癌腫病やテッポウムシではない事が決定した。
結局は太い枝は全て枯れ、枯れる度に出していたベイサルシュートを出す力にも限界が訪れ最後は割り箸程のか細い枝を残して冬が訪れた、もちろん花など咲かせる余地はなかった。(涙)

こんな症状は初めて経験し、為す術もなく黒く枯行くルージュピエールをただ見守る事しかできなかった。

そして今年の春、割り箸のような枝も何所へ行ったかルージュピエールは跡形もなく消えていた・・・
樹木の胴枯れ病もステムキャンカーとよく似た病気で進行が早い場合は恐ろしく、みるみる樹木を枯らしてしまう事がある怖い病気だ
きっとこのルージュも酷いステムキャンカーか腐乱病なのだろうと思っていた。

ステムキャンカーだと決め手かかっていたが、どうも腑に落ちないのでよくよくまた病状を思い出してみた。
株は上から蕾が萎れて葉が黄色く変色し、黒ずんで枯れたが、黒ずみが進んで行ったのは株元からだった
ステムキャンカーは通常傷口から入るのが普通なので切り口から下にかけて枯れこんでいく。

しかしこのルージュピエールは黒ずみは下の方から広がって全体が黒くなった。
疫病の症状を調べてみるとまさにコレだった。

※土壌伝染と水媒伝染の2種類があり、組織中に形成された卵胞子が土壌伝染し、遊走子が水中を遊泳して茎に到達し感染、発病する。多湿条件下で発生しやすい。

植えた場所は何も植えていなかった場所だったので、おそらくは鉢に菌が混入していて鉢バラだったので購入した土のまま植え付けした事。
そして軒下に近くジメジメした場所であったため病原菌に好条件になり増殖してしまったのかと。


このルージュピエールは疫病だったのかも知れない、で、ここで思ったのは。
土壌消毒しなきゃ(汗)
でも断定は出来ない・・・

リドミル2粒剤という薬が疫病に消毒効果があるらしい。

せめてもの救いは、ルージュピエールを購入した年に細い枝で挿し木しておいた事。
昨年親株は枯れてしまったが挿し木の細い枝で二回ほど開花してくれた、ルージュピエールは太い枝でも発根するらしいのでこんな事ならもっと太い枝で挿し木しておけば良かったと今更ながら思う。



2013.6.16 追記

疫病かもしれないと思ったルージュピエール、上部の枝は枯れこんでもう切り取って無かったが、根はまだ処分していなかった。
バラ達が春から生長を続ける中、なんとビックリ遅れて何もない株元から芽を出し始めた。汗
それと疫病だと断定出来ないのでリドミル2の薬剤散布は見合わせていたが、疫病かと思った株のすぐ近くに植えているバラは全く伝染する気配もない。
よってこの原因不明の枯れこみは疫病ではない、枯れた原因は未だ不明。
疫病のような特殊な病気は専門機関に検体を持ち込んで検査してもらわないと断定する事は出来ないだろう。


2013.7.24追記
枯れた原因が特定できたので新たに記事にしました。

原因不明の枯れ込みの本当の原因
by tukiiro2613 | 2013-05-07 17:45 | バラの管理
<< 雨の合間に 面白い芽 >>